
PET-CTの読影に当たっては診断しなければならない画像がたくさん存在します。
ある程度の方法を決めておかないと、見落とし・見忘れの原因となります。ここでは、ピー・エス・ピー社製のEV Insiteを用いて、簡単な読影方法の手順を紹介します。(EV InsiteはPET-CTの読影に非常に便利な画像ビューアです。)
1.脳の観察
PET画像では、CTで言うウインドウ幅・ウインドウレベルの概念はなく、上限と下限の値をカットすると言う核医学と同様の表示方法になります。通常は下限0~上限4で表示されていることが多いと思われます。脳の観察においては、脳実質へのFDG集積が高いため、0~4ですと脳内の詳細な検討は出来ません。そのため、上限を10から15程度に上げて観察する必要があります。この場合、皮質への集積が良好か、大脳の集積に左右差がないかなどを観察します。
2.回転MIP(最大値投影)
画像の作成
当社で利用しているEV Insiteでは、キーボードの「M」を押すことにより、ショートカットが作動し、MPR画像が作られます。その状態で、回転MIP画像を作成します。この画像でおおまかなFDGの異常集積病変を探します。その後にMPR画像で、その集積部位について更によく観察をしておきます。
3.Fusion画像の観察
当社で利用しているEV Insiteの場合、2つのフレームをCtrlキーを押しながら選択することで、同時に2つのシリーズが選択されます。まずPET画像を選択し、
その後Ctrlキーを押しながら、CT画像を選択して下さい。この状態で「U」キーを押すことで、CT画像にPET画像が重なって表示(Fusion画像)されます。この状態で、頭から骨盤部までFusion画像を観察します。
PET-CTはスライス数が多いため、マウスでのスクロールが大変なことがあります。そのような場合はEV Insiteに用意されている自動ページング機能を利用します。当社の設定ではspaceバーを一度押すと自動でページングを開始するようになっています。もう一度spaceバーを押すと画像が止まります。また、逆戻りしたい場合は、シフトキーを押しながらspaceバーを押すと、逆方向に再生されます。
病変部については、強いFDG集積が認められているため、通常のFusion画像ではその解剖部位の詳細な検討が困難になります。その場合には、Fusion画像のフレームの下方にあるFusionバーを操作することで、Fusionの割合を変更する事ができます。
4.単純CT画像の確認 Fusion画像で観察が終わった後に、小さな結石やその他のCT所見を拾い上げるために、もう一度Uのキーボードを押して、Fusionの状態を解除します。その状態で、CT画像を観察して全身を見渡して下さい。適宜、Fusion画像に戻ることにより、再度FDGの集積度合いを確認することができます。
5.肺野の確認
肺野については、CTで確認することが最も重要です。肺野条件にして肺野フィルターをかけます。当社では、F1に肺野条件が入っており、「Pの」キーボードを押すことにより、肺野フィルターがかかります。また、「Ctrl + M」を押すことにより、畳み込みMIP(上下に連続する3スライスをMIP法で合成)の画像が作成され、肺野の腫瘤性病変を見つけるのに有効なモードとなります。小さな病変も含め、肺野の観察をして下さい。
6.SUV値の測定
EV Insiteについては、「Ctrl + spaceバー」を押すと、計測ツールが表示されます。FDGが強く集積する病変部については、FDGのMaximum SUV(Max. SUV)を計測する必要があります。この際には、ウインドウ幅を広くして、最も集積の高いスライスを選択する必要があります。適切と思われるスライス・部位でMax. SUVを計測して下さい。
以上がFDG-PETの簡単な観察方法です。たくさん見なければいけないものがありますが、この手順で読影していると、見落としが少ないと思われます。
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